この度、第20回日本高齢者腎不全研究会を、2022年7月30日(土曜日)から7月31日(日曜日)にかけて、新宿京王プラザホテルおいて開催させていただきます。
本会は高齢腎不全患者さんの包括的な医療に焦点を当てた大変ユニークな研究会です。透析導入が平均70歳前後で行われる現状においてCKD患者さんの高齢化は、この領域の重要な主題です。例年、当番幹事の先生方がさまざまな趣向を凝らされるこの有益な大会を主催させて頂くこと、大変な栄誉と責任の重大性を感じております。
CKD医療も大きく変貌を遂げようとしています。末期腎不全医療が血液透析を中心に展開されてきたのに対して、現在では腎代替療法選択の考え方が広まり、療法選択外来が多くの施設で行われるようになりました。さらには昨年来、透析を”見合わせる”という事例が社会的問題となり、日本透析医学会からは”透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言”が上梓された結果、保存的腎臓療法(Conservative kidney management)が透析を見合わせた場合の診療状況となりました。そして、その際に不可欠な腎緩和ケアの正式なガイドが初めて検討されています。高齢腎不全患者さんはその主要な対象となります。こうした医療の質の変化に対応できる多職種による腎不全teamが必要となるため、新たに日本腎代替療法医療専門職推進協会が成立されました。
今回の大会のテーマはこうした変化に対して、また私どもが主催を務めます第67回日本透析医学会学術集会・総会の延長として「高齢者腎不全医療のSDGsを求めて」といたしました。SDGs(sustainable development goals)は、国連総会で採択された持続可能な開発のための国際的な開発目標のことであり、この考え方はそのまま透析医療にもあてはまるものと考えます。今後、ますます増加する高齢腎不全患者さんの問題点を解決していくために、持続的な努力目標と対応を皆様とともに考えたいと思います。高齢者に関するevidenceが限られている現状では、こうした現場からの情報発信が必要不可欠であると感じております。
未だコロナ禍が日本のみならず世界を覆っている現状において、本会がいかなる状況下での開催となるかは不確定です。しかしながら、現在ではコロナ禍での学会運営はwebと対面も交えたhybrid形式などで開催されております。どうぞ本会が、実りある有意義な会になりますよう、大会の成功に向けて皆様方の御指導、御支援の程をよろしくお願い申し上げます。
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